クロ・デュ・ムーラン・オー・モワンヌ訪問
オーセイ・デュレス村にあるドメーヌ、クロ・デュ・ムーラン・オー・モワンヌ。2013年1月3日BSジャパンの番組、黒木瞳による「フランス美食術の真髄を訪ねて」で約20分に渡り紹介されたので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。
この場所は、962年にクリュニー派修道院として始まり、その後シトー派修道院になり、計6世紀に渡り修道院として使われていました。他の多くの修道院がそうであるように、ここも水利の便がよく、緑あふれる場所です。敷地内には小川が流れ、水車跡があり、1650年頃に建てられたという礼拝堂、そして立派な鳩小屋が残っています。鳩小屋には、鳩のカップル500組が暮らせるよう、500の穴が開けられています。前オーナーの趣味で、現在、その穴にはワインが飾ってありました。
ホテル業界で活躍するアンドリュー家が、オーセイ・デュレス村のこのドメーヌとポマール村の畑を購入したのは2008年のこと。その後、息子であるパリ出身のジョルダン・アンドリューが、2010年にブルゴーニュ大学でワイン醸造技術士資格DTOを取得。ドメーヌ・ド・モンティーユで長年働いていたウィリー・ルランを、責任者として迎え入れました。
ジョルダン・アンドリュー
現在計10ヘクタールのぶどう畑からポマール、オーセイ・デュレス、モンテリーなど16種類のワインをつくっています。ぶどう畑は、有機栽培の認証を得ており、ビオディナミを実践中です。
ドメーヌの後ろに広がる約3ヘクタールのぶどう畑は、ドメーヌ名にもなっている“クロ・デュ・ムーラン・オー・モワンヌ”。ピノ・ノワールとシャルドネが植えられたこの畑から、このドメーヌのフラッグシップワイン“オーセイ・デュレス ムーラン・オー・モワンヌ”赤と白がつくり出されています。
“ムーラン・オー・モワンヌ”と並んでこのドメーヌを代表するワインは、“ポマール・プルミエクリュ クロ・オルジュロ”。ボーヌとポマールの境界線上に位置するこの約1.1ヘクタールのぶどう畑は、“ポマール・プルミエクリュ ペズロール”、“ボーヌ・プルミエクリュ クロ・デ・ムーシュ”、現在グランクリュ申請中の“ポマール・プルミエクリュ エプノ”に囲まれています。つまり、とても恵まれた場所に位置しています。“ポマール・プルミエクリュ クロ・オルジェロ2009”は、淡い色合いにもかかわらず、ポマールらしい力強さを感じさせるワインでした。
2012年は3度もの雹被害にあい、彼のオーセイ・デュレスの畑は大幅な収穫減だったとのこと。去年ペルナン・ベルジュレスのぶどう畑を購入し、新たなチャレンジが始まりました。今後が楽しみなドメーヌです。
地下カーヴでは、BGMにクラシック音楽が流れていました。地下カーヴにグランドピアノが置いてあるドメーヌに行ったことはありますが、クラシック音楽が流れているところは初めてです。
モダンとクラシックが融合した、暖炉がある素敵なテイスティングルーム。ワインバーとしても使えそうな雰囲気です。
愛犬シリーズ。ジョルダンの後をずっとついてまわる愛犬パコは２歳半。猫ルカも同い年です。
